裸族 先日、サッカーが終わった後みんなでサイゼリヤにメシを食いに行くことになった。 だが、俺は家にカレーが用意されていたことを知っていたので 一度帰宅した後、軽くカレーを食べてから食後のまったりに参加することにした。 で、帰宅したはいいものの、やはりサッカーをして汗をかいていたので体を清めたくなるわけだ。 風呂に入るのはさすがに時間がかかるから、濡れタオルで体を拭こう!と思い立つ。 自分の部屋に汗まみれの衣服を脱ぎ捨て、全裸のまま風呂場に向かう。 そんなこんなで階段を降りたところで、親父の怒声が。 「おめー、オモテから丸見えじゃねえか!!!」 応接間にいるはずの父なのになぜ俺が全裸なのを見破ったのか。 父親とはそういうものなのだろうか。 「バカじゃねーのか!早く服着ろ!」と、家族を正しい道へと導く父の偉大さに怯えつつ、 応接間を覗き込むと、全裸の母親がタンスを開けてパジャマを探していた。 久々に母親の全裸を見た。今となってはある意味若い女性の全裸より貴重だ。 「貴重=価値がある」は成立しないんだな、と、大事なことに気づいた気がする。 そして、そんな事を考えながらその光景を目の当たりにしていた俺も、当然全裸だ。 ふと見てみると 全裸であることに対して怒号を発している父親も全裸だ。 かろうじてだが、局部にタオルがかけてある。 おそらく、彼の心の中のセコンドが「もう無理だって!!!」という意味合いでかけたものだろう。 俺はこの光景を見て、もう可笑しくなってしまい 「みんな全裸じゃん。ばかじゃないのw」 と言うと 、父は嬉しそうに「裸族だ裸族だ!」とのたまいはじめる。 それに触発されたのか、母は 「裸族!あいうえ裸族!あいうえ裸族!」とか言い始める始末。 これほど存在意義のない「あいうえ」は初めて聞いた気がする。 文化レベルが発達してきた今、我が家はこの代で絶えてしまう気がする。 _(:3」z)_PR